ニュー・ミュージックの墓碑銘 ~ 今だから / 松任谷由実・小田和正・財津和夫

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85年にリリースされた松任谷由実・小田和正・財津和夫のコラボレーション・シングル。
プロデュースは教授こと坂本龍一。
そして高中正義・後藤次利・高橋幸宏というサディスティックスの残党がバッキングをつけた超がつく豪華布陣。
基本的にユーミン+小田和正の曲調で、教授はこの当時よく使ってたシンセの音色と手グセ全開のアレンジで仕上げております。
あとユキヒロ氏のドラムもわかりやすい(笑)。
同年このメンバーに加藤和彦を加えたバンドで伝説のイヴェント「オール・トゥゲザー・ナウ」に出演。
たしかサディスティック・ユーミン・バンドとか言ってたかな。
YouTubeで検索すれば当時のラジオ放送が聴けると思います。
この85年というのは日本におけるポップス界の地殻変動が起こった時期で、レベッカ、爆風スランプ、米米CLUB、聖飢魔IIといった音楽的にもヴァラエティ豊かなバンドがデビュー、いわゆるニューミュージックという言葉をあっという間に死語にしてしまいます。
もちろんニュー・ミュージックの旗頭と呼ばれたユーミンは88年の「Delight Slight Light KISS」で記録的な売上をたたき出し、小田和正も91年のTVドラマ主題歌「ラブ・ストーリーは突然に」で大ヒットを記録して未だ現役ですが、世代交代が進んだという意味ではこの年が一番大きかったでしょう。
そんな地殻変動が発生している中でニュー・ミュージックの大御所達が集まってこういった作品を作ったのはある種象徴的な出来事でした。
先述した国際青年年記念イヴェント「オール・トゥゲザー・ナウ」は吉田拓郎、オフコース、さだまさし、南こうせつ、イルカ、武田鉄矢というフォーク/ニューミュージックの大御所に加えて松任谷由実、佐野元春、サザンオールスターズ、山下久美子、白井貴子、アルフィー、アン・ルイス、ラッツ&スターといったこの時期絶頂を極めていたミュージシャンが出演、また、この当時既に伝説のバンドだったはっぴいえんどが再結成、もろもろひっくるめてものすごいことになっており、はっぴいえんどのメンバーとして出演していた細野さんが「ニューミュージックのお葬式」と呼んだイヴェントでございますが、今にして思えばまさしくそのとおりでした。
この作品と、「オール・トゥゲザー・ナウ」を境にニュー・ミュージック期のミュージシャン達はヴェテランと呼ばれる域に移行したと見てよいでしょう。
このシングルは権利関係もろもろのために未だCDとはなっておらず、この時発売されたアナログEPのみです。
この翌年からCDが爆発的に普及し、ほとんどの新人歌手~バンドの音盤デビューはCD形態になりますが、そういった意味でもニュー・ミュージックの墓碑銘としてふさわしいかなと。

12:01:00 on 09/19/08 by yoshiki - Music - comments

GANGA ZUMBA

ザ・ブーム94年の傑作「極東サンバ」以降中南米音楽への傾倒を深める宮沢和史のプロジェクト。
もともとホコ天バンドからスタートしたザ・ブームではございますが、宮沢和史が求めるサウンドには対応不可能ということで、バンドを休止してこのプロジェクトを始めたのでしょう。
このあたりは自分の求めるサウンドを実現する為に85年にサザンオールスターズを休止して楽器編成はまったく同じにもかかわらずメンバーを全とっかえした(ドラムの松田弘を除く)KUWATA BANDを始動させた桑田佳祐とダブりますな。
メンバーは高野寛、レピッシュのTATSU(よく知らん)、米米クラブやらオルケスタ・デ・ラ・ルスやら山崎まさよしやらのバックで叩いてた江川ゲンタなどの日本人勢に加えてブラジルやらキューバやらアルゼンチンやらの腕利きミュージシャンを集めており、実力は折り紙つき。
日本のテクノ系のミュージシャンがネットを通じて世界進出をはかっておりますが、こちらは従来どおりのミュージシャン同士のつながりを重視したやりかたでヨーロッパや中南米へのツアーを敢行、今後が注目されます。
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HABATAKE! / GANGA ZUMBA
1. HABATAKE!
2. Bridge
3. Mambolero
4. Rainbow Warriors
5. Survivor(Featuring MISIA)
6. 楽園
GANGA ZUMBAのファースト・ミニ・アルバム。
このアルバムの目玉は何といっても(1)。
ザ・ブームの「風になりたい」の続編的な曲で、サッカーファンを中心にもうちょい売れてもよかったんじゃなかったのかね。
サッカー番組のテーマにもなったみたいだし。
コンセプト通りの(2)(3)(4)、コンテンポラリーな(5)、沖縄風味をまぶした(6)とあいかわらず音楽的振り幅が大きいですな。
コンパクトにきちんとまとまった好盤。
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GANGA ZUMBA / GANGA ZUMBA
CD:
1. シェゴウ・アレグリア!- 歓喜のサンバ -
2. MARIA BONITA
3. Berimbau
4. 足跡のない道
5. The One (Rio Mix)
6. ZOOM IN SKY
7. EDEN
8. 宇宙の塵になって
9. Under The Sun
10. 嫉妬深い風
11. ハリクヤマク
12. ZAMZA
13. きみはみらい
DVD:
1. シェゴウ・アレグリア!- 歓喜のサンバ -
2. 足跡のない道(PV)
3. Why?
4. HABATAKE!
5. kaze ni naritai(GZ Ver.)
6. WONDERFUL WORLD
GANGA ZUMBAのセカンド・アルバム。
(1)(2)(3)中南米音楽により深く踏み込んだ作風です。
特に(1)は素晴らしい。
(4)は日本人ブラジル移民100周年を記念したもの。
宮沢和史作曲ながらもこの手の作品になるとありがちな日本ポップス風味になるのがおもしろい。
(7)(9)は若干風合い違いますが、(10)は昔のブーム風のスカ・リズムを使いつつラテン風味に仕上げた作品。
(11)は沖縄民謡をハウス・ビートでやっつけてますが、若干消化不良か。
今回も音楽的雑食性高し。
とはいうものの、食い散らかしすぎた感もあり、沖縄+中南米音楽+味つけに中華&J-POPで一度コンセプトを固めた方がいい作品ができるんじゃないかな。
メンバーに達者な楽器奏者を揃えており、打ち込みそのものにセンスを感じないので全部生演奏でやったほうがいいと思います。
ワタクシ常々細野晴臣の後継者は世界の音楽に対する貪欲な姿勢から宮沢和史と思っておりますが、このままいろいろな音楽を追究してほしいですな。
打ち込みのセンスはないけど(笑)。
あ、教授の後継者はテイ・トーワでユキヒロ氏の後継者は高野寛ね。

12:01:00 on 09/18/08 by yoshiki - Music - comments

Rhythm & Ghetto Soul / Slique


1. One Day
2. Sensitve Side Of A Thug
3. Womans Got To Have It
4. Dat Comeback
5. Grown & Sexy
6. When I See You
7. Finally
8. Not Your Fault
9. Your Body
10. Into You feat Sara Stokes
11. Got It For Me
12. What It Do
13. So Sexy - Grown & Sexy Remix
14. Got It For Me - Terry Hunter`s House Mix
スリックのファースト・アルバム。
このスリック、98年にアルバム「The Fall Backs of a Playa」をリリースして好事家の間で話題になったEntorageのメンバーでした。
シングル「Page Me」のリミックスが良かったんだよなあ。
で、このアルバムもインディものだったみたいですが、トイズ・ファクトリーがリリースするR&Bシリーズにラインナップされたみたいです。
こういう企画は大歓迎です。
レコード会社にはがんばっていただきたい。
アルバムはJoeの「All the Things (Your Man Won't Do)」を彷彿とさせる(1)からスタート。
スリックもアーロン・ホール~R.ケリー風に歌っております。
そして勢いのある(2)の後はR&Bシンガーの心の拠り所になっているとしか思えないボビー・ウーマックの(3)をカヴァー。
なんでみんなこれカヴァーするのかな。
なんかのTVドラマで使われてリヴァイヴァル・ヒットしたとかかな。
先達への敬意を払ってか情感たっぷりのヴォーカルで満足。
かと思えばスムーズなヴォーカルを聴かせる(5)みたいな曲もあって、器用な人なんだなと。
マーヴィン・ゲイ風味の(9)、なんかいい感じ。
チャカチャカしたアレンジの(10)(11)(13)は最近のシーンへの目配せかもしれませんが、ちょっと合ってない(笑)。
曲とヴォーカルそのものは悪くないんで、リズムをもうちょいファンクっぽくすればアルバムのカラーに合ったと思うけどなあ。
9曲目まではマジで完璧、それ以降はOKな人とダメな人が分かれると思いますが出来は良いと思います。
おすすめ。

12:01:00 on 09/16/08 by yoshiki - Music - comments

Year Of The Gentleman / Ne-Yo


1. Closer / Beite, Eriksen, Hermansen ... / 3:54
2. Nobody / Smith / 3:07
3. Single / Jones, Smith / 4:17
4. Mad / Eriksen, Hermansen, Smith / 4:14
5. Miss Independent / Eriksen, Hermansen, Smith / 3:52
6. Why Does She Stay / McKinney, Reeves, Romulus ... / 4:33
7. Fade into the Background / Smith, Wilson / 3:18
8. So You Can Cry / Perry, Smith / 4:17
9. Part of the List / Harmon, Smith / 4:09
10. Back to What You Know / Beite, Eriksen, Hermansen ... / 4:10
11. Lie to Me / Smith, Taylor / 4:27
12. Stop This World / Harmon, Smith / 4:23
好調なペースでリリースを続けるニーヨのサード・アルバム。
制作陣はノルウェーのプロデュース・チームのStarGateが(1)(4)(5)(10)を手掛けており、いずれも高品質で21世紀のジャム&ルイスとも言うべき活躍です。
スロウなら(6)、粘っこいファンク風味の(7)とヴァラエティに富んでおりますが、アルバム通してメロディアスで耳なじみが良く、マイケル・ジャクソンのような甘めのヴォーカルとよく合っているのがヒット要因ですな。
ここ最近ヒップホップを筆頭にリズム・トラックにばかり重心を置いた曲ばかりが並んでおりましたが、こういう「美メロ」がまた復権するとR&Bも面白くなると思います。
ちうかなってほしい。
今回もおすすめ盤。

12:01:00 on 09/15/08 by yoshiki - Music - comments

The City of Light / HASYMO

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1. The City of Light
2. Tokyo Town Pages
3. The City of Light -Ambient
4. Tokyo Town Pages -Ambient
HASYMO二枚目のシングル。
ジャケがFacebookのMy Cityみたいだ。
昨年のインタビューで細野さんが「この三人で生楽器を追求したい。」と発言していた通り、今作は生楽器中心に演奏しながらも全体としてはエレクトロニカ風味という彼らならではの出来。
(1)でピアノ、ベース、ドラムを中心に奏でられる単調なリフレインはBGM~テクノデリックっぽくもあり、それぞれのソロ作のようでもあり、三人のさまざまな経験が溶かし込まれております。
(2)は最近教授と組んでいるフェネスのせいでしょうか、一昨年前に出た「Fennesz+Sakamoto」の発展型といった感じ。
ここに来て三人ともやたらめったらアクティヴに活動しており、ファンとしてはうれしいかぎりでございますが、さてHASYMOとしてのアルバムは出るんでしょうか、
楽しみでございます。

12:26:59 on 09/14/08 by yoshiki - Music - comments

Heavenly Star / 元気ロケッツ

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・CD
1.Prologus –Earth Rise-
2.Breeze
3.Smile
4.Star Line
5.Heavenly Star
6.Intermediate –Orbit Swimming-
7.I will
8.Star Surfer
9.Never Ever
10.Fly!
11.Star Line(Japanese Ver.)
12.Breeze:Summer Afternoon Mix
13.Breeze:Star Breeze Mix
・DVD
Music Clip
-Heavenly Star
-Breeze
-Star Line
Debut Live@LIVE EARTH – 2007.07.07
元気ロケッツのファースト・アルバム。
30年後の18歳、宇宙生まれでまだ地球に降り立った事がないルミちゃんをフロントに置いた音楽ユニットというこりん星のおじょうちゃんもビックリのギミックで売り出しておりますが、そのサウンドはホンモノ。
06年にゲーム・ミュージックの(5)でデビュー、07年にはライヴ・アースのオープニング・アクトでCGだけのライヴ(?)をやってたみたいですな。
で、MTVのVIDEOGAME AWARDS 2006ではベストソング部門にノミネートもされたみたいです。
(4)でワタクシやっと認識いたしました。
サウンドは基本的にcapsule~Perfume系のテクノ風ポップといった感じですが、エフェクトをかけることで無国籍っぽくなったヴォーカルがワールドワイド対応といったところでしょうか。
あと、プロモ・ヴィデオがかなり凝っててCGと昔A-haが「Take On Me」でやってたような登場人物を手描きアニメ風に表現するローテクな部分の融合がおもしろいですな。
ゲームやらないんで全然知らなかったんですが、最近のテレビゲーム主題歌というジャンルはかなり世界的になってるようで、おまけにYouTubeみたいなツールがあるとなればそこから火がつくのも理解が出来ます。
現在のレコード会社主導の画一化した音楽シーンに飽き足らない人がYouTubeとかネットでチェックしてるんだなと。
ニッチな市場ですが、これから簡単に世界に飛び出せるといった意味で、スゴイ時代になってきたなあと。
・・・で、どうもルミちゃんは歌ってないみたいで日本人の知らんおねいちゃんがゴースト・シンガーとして歌ってるみたいですが、紅白とかレコ大とか出るときどうするんだろう。
「奥さんよしきです」におまけあります。

12:01:00 on 09/13/08 by yoshiki - Music - 4 comments

ア・トライブ・コールド・クエスト(3)


The Love Movement / A Tribe Called Quest
1. Start It Up / Bernie, Casey, Fareed ... / 3:18
2. Find a Way / Fareed, Gilberto, Muhammad ... / 3:23
3. Da Booty / Fareed, Muhammad, Taylor ... / 3:20
4. Steppin' It Up / Fareed, Muhammad, Noble ... / 3:22
5. Like It Like That / Fareed, Muhammad, Taylor / 2:46
6. Common Ground (Get It Goin' On) / Fareed, Muhammad, Taylor / 2:49
7. Moms / Fareed, Muhammad, Taylor ... / 1:49
8. His Name Is Mutty Ranks / Fareed, Muhammad, Taylor ... / 1:56
9. Give Me / Austin, Bivins, Fareed, Jones ... / 3:52
10. Pad & Pen / Fareed, Muhammad, Scott ... / 3:23
11. Busta's Lament / Fareed, Muhammad, Taylor ... / 2:39
12. Hot 4 U / Fareed, Muhammad, Sylvers ... / 3:15
13. Against the World / Fareed, Latture, Muhammad ... / 3:59
14. The Love / Fareed, Fresh, MC Ricky D ... / 4:02
15. Rock Rock Y'all / Fareed, Gadson, Johnson ... / 4:17
16. Scenario [*] / Davis, Higgins, Jackson ... / 5:17
17. Money Maker [*] / Fareed, Muhammad, Taylor / 4:22
18. Hot Sex [*] / Davis, Muhammad, Taylor / 2:45
19. Oh My God [*] / Davis, Muhammad, Taylor / 4:01
20. Jazz (We've Got) [*] / Davis, Muhammad, Taylor / 4:18
21. One Two S**t [*] / Davis, Muhammad, Smith, Taylor / 4:31
ATCQの5枚目にしてラスト・アルバム。
ヒップホップでありながらもはや侘び寂びの境地に至ったかのようなサウンド。
白を基調としたジャケットからもその空気を読み取れます。
とはいえども仕掛けは怠らず、テイ・トーワの「Technova」をサンプリングした(2)にビックリ。
たぶんラウンジにも興味があったんでしょうが、ATCQとしてそっちに振っちゃうのは違うんで寸止めにしたみたいなプロダクションがニクイ。
そして当時彼らにとってダサさの極みであったろうボーイズIIメンの「Motownphilly」の一節を引用した(9)なんかもひねりにひねった彼らのこだわりなんでしょうか。
ちょこっと聴いただけではギャップ・バンドの「Yearning For Your Love」がサンプリングされてるとは気づかないおしゃれトラックの(10)など、音作りには細心のこだわりが隠されていることがわかります。
最初から最後までサウンド的には異色でありつつシーンの中央に居座り続けたのは立派としか言いようがありません。
デ・ラ・ソウル、ジャングル・ブラザーズといったネイティヴ・タンの仲間以外この手のサウンドを継承したグループは結局出てこなかったし。
そういった意味でATCQの活動は伝説の域に達するでしょう。

Revised Quest for the Seasoned Traveller / A Tribe Called Quest
1. Bonita Applebum(12" Why? Edit)
2. I Left My Wallet In El Segundo(Vampire Mix)
3. Description Of A Fool(Talkie)
4. Pubic Enemy(Saturday Night Virus Discomix)
5. Check The Rhime(Mr Muhammad's Mix)
6. Luck Of Lucien(Main Mix)
7. Can I Kick It?(Extended Boilerhouse Mix)
8. Scenario(Young Nation Mix)
9. If The Papes Come(Remix)
10. Jazz(We've Got)(Re-Recording)
11. Butter(Hip Hop Mix)
12. Bonita Applebum(Hootie Mix)
ATCQのファースト&セカンド・アルバムよりカットしたシングルのリミックスを収録した企画アルバム。
このアルバムの白眉はなんつってもアイズレー・ブラザーズの「Between The Sheets」をサンプリングした(12)でしょう。
これ聴いたときは感動したなあ~。
しかしカーリー・サイモン(だっけ)の「Why」をサンプリングした(1)もすごい。
これをリミックスしたCJマッキントッシュはさすがの手管としかいいようがない。
CJマッキントッシュはこの後もディアンジェロやB.M.U.とかジャネットでその手腕を大いに振るうわけですが。
リミックスということでアルバムとはまた違うATCQの顔が見えてきますな。
アルバムはトータルで作ってる風だったし。

12:01:00 on 09/12/08 by yoshiki - Music - comments

ア・トライブ・コールド・クエスト(2)


Midnight Marauders / A Tribe Called Quest
1. Midnight Marauders Tour Guide / Davis, Muhammad, Taylor / :45
2. Steve Biko (Stir It Up) / Davis, Muhammad, Taylor / 3:11
3. Award Tour / Davis, Muhammad, Taylor / 3:46
4. 8 Million Stories / Anselm, Muhammad, Phife Dawg ... / 4:21
5. Sucka Nigga / Fareed, Hubbard, Muhammad ... / 4:05
6. Midnight / Davis, Muhammad, Taylor / 4:25
7. We Can Get Down / Davis, Muhammad, Taylor / 4:19
8. Electric Relaxation / Davis, Foster, Muhammad ... / 4:04
9. Clap Your Hands / Davis, James, Modeliste ... / 3:16
10. Oh My God / Davis, Muhammad, Taylor / 3:29
11. Keep It Rollin' / Mitchell, Muhammad ... / 3:05
12. The Chase, Pt. 2 / Arrington, Davis, Godsey ... / 4:02
13. Lyrics to Go / Davis, Muhammad, Taylor / 4:09
14. God Lives Through / Davis, Muhammad, Taylor / 4:15
ATCQのサード・アルバム。
このアルバムがリリースされた93年はスヌープ・ドギー・ドッグを筆頭とする西海岸サウンドが猛威をふるっておりましたが、そんな中でも我関せずとばかりに前作を更に深化させたサウンドで勝負。
女性ラジオDJがときおりリレーさせる構成でアルバムは進んでいきますが、全体にビートを強調した感あり、ドープなだけではないサウンドですな。
ドス黒さや汗くささを感じせず、かといってクール一辺倒というわけもなくて飄々とした部分を適度に残したサウンドは唯一無二。
サウンドとして完成されているのは(2)(3)あたりかな。
他にもラウンジっぽいサウンドにエロいリリックがステキな(8)、ミーターズをサンプリングしたもののセカンド・ライン・ファンクを全く感じない(9)、なんだったかの曲でm-floがリリックをパクった(12)、ミニー・リパートンの(13)とききもの揃い。
セカンド・アルバムと並んで評価が高いのも納得。

Beats, Rhymes and Life / A Tribe Called Quest
1. Phony Rappers / Fareed, Mills, Phife Dawg / 3:35
2. Get a Hold / Fareed, Yancey / 3:35
3. Motivators / Fareed, Mills, Muhammad ... / 3:20
4. Jam / Fareed, Mills, Taylor / 4:38
5. Crew / Fareed, Muhammad / 1:58
6. The Pressure / Fareed, Muhammad, Taylor / 3:02
7. 1nce Again / Fareed, Muhammad, Swallow ... / 3:55
8. Mind Power / Fareed, Mills, Muhammad ... / 3:55
9. The Hop / Fareed, Smith, Taylor / 3:27
10. Keeping It Moving / Fareed, Mills, Muhammad ... / 3:38
11. Baby Phife's Return / Fareed, Taylor / 3:18
12. Separate/Together / Fareed / 1:38
13. What Really Goes On / Bonner, Fareed, Jones ... / 3:23
14. Word Play / Fareed, Mills, Taylor, Yancey / 2:59
15. Stressed Out / Evans, Fareed, Mills, Muhammad ... / 4:57
ATCQの4枚目。
ここらあたりになるともう大御所の風格さえ漂う作りですな。
基本的には前作とほぼほぼ路線は変わらず、我が道を行くブレないサウンドはさすが。
だいたい黒人さんは60年代の昔からその時々の流行りにすぐ乗っかるようで(テンプテーションズしかりEW&Fしかり。90年にEW&Fがニュー・ジャック・スウィングをやりだすとはおもわなんだ)、このアルバムが出た当時はどいつもこいつもGファンクの後追いかアトランタに乗っかる感じでしたが、ATCQはまったくそういう素振りも見せません。
だからこそ熱心なファンがつくんでしょう。
前作より顕著になったサンプリングのセンスもここに来て完成の域に達しており、特にサンプリングの聖典、ジェイムズ・ブラウンの「Make It Funky」の、誰もがJBの演奏をまんまパクるところを、全く違うアプローチを行い、JBの声だけをループさせるだけの(13)には衝撃を受けました。
この一曲だけで凡百のトラックメイカーと決定的に違うことが如実にわかります。
やや地味ながらもこれまた傑作。

12:22:00 on 09/11/08 by yoshiki - Music - comments

ア・トライブ・コールド・クエスト

ヒップホップの黎明期からだいたい90年ぐらいまではその年代で区切られており、グランドマスター・フラッシュらはオールド・スクールとして位置づけられておりましたが、89年、新しいジェネレーションとして出てきたニュー・スクール代表としてデビューしたのがア・トライブ・コールド・クエスト(ATCQ)。
彼らの全く新しいサウンドは大きな注目を集めました。
とはいうものの、ニュー・スクールという呼称そのものはあっという間に廃れ、92年にドクター・ドレが「The Chronic」を出したあたりからヒップホップの図式はその土地土地の特色を色濃く出していく方向に転換していきます(ネクスト・スクールっていう言い方はあったかなあ)。

People's Instinctive Travels and the Paths of Rhythm / A Tribe Called Quest
1. Push It Along / A Tribe Called Quest / 7:41
2. Luck of Lucien / Davis, Jackson, Muhammad ... / 4:35
3. After Hours / A Tribe Called Quest / 4:38
4. Footprints / A Tribe Called Quest / 4:03
5. I Left My Wallet in el Segundo / Davis, Muhammad ... / 4:08
6. Public Enemy / A Tribe Called Quest / 3:48
7. Bonita Applebum / A Tribe Called Quest / 3:49
8. Can I Kick It? / Davis, Muhammad, Reed ... / 4:13
9. Youthful Expression / A Tribe Called Quest / 4:56
10. Rhythm (Devoted to the Art of Moving Butts) / A Tribe Called Quest / 4:01
11. Mr. Muhammad / A Tribe Called Quest / 3:35
12. Ham 'N' Eggs / A Tribe Called Quest / 5:29
13. Go Ahead in the Rain / A Tribe Called QuestTribe Called Quest / 3:58
14. Description of a Fool / Ayers, Birdsong, Davis ... / 5:41
ATCQのファースト。
それまでのファンク一辺倒のサンプリングからシングル(7)に代表されるような飄々としていながらも新しいアイディアに満ちた音作りが革命的でした。
また、それまではラッパーはみんな自分のちんこ自慢かブーたれまくりかしかないみたいなイメージがございましたが、ATCQはこの当時まだティーンエイジャーだったこともあってかわりと可愛い目のリリックでそこらへんがサウンドと合ってたんだろな。
ルー・リードの「Walking On The Wild Side」をサンプリングした(8)、当時ディー・ライトで世界的ヒットをかっ飛ばしていたテイ・トーワ(「Groove Is In The Heart」でQ-TIPが客演してる縁か)が後半「でもさでもさQちゃん、JB'sとかウチのディー・ライトとか・・・(不明)・・・70年代のPファンクがさ・・・(不明)・・・気がするんだよね~、な~んちゃったりして」と語りかける(10)、「ウェザー・リポートのレコードが・・・」と言っているトーワの声をサンプリングしたりとかやたら遊んでいる(11)あたりが当時既に固まりつつあったステレオタイプなヒップホップから既に脱却しているあたりがすばらしい。
マッチョなヒップホップはちょっとという人にもおすすめ。
今聴いても新しいと思わせるヒップホップの名盤。

The Low End Theory / A Tribe Called Quest
1. Excursions / Davis / 3:53
2. Buggin' Out / Davis, Muhammad, Taylor / 3:38
3. Rap Promoter / Davis, Muhammad / 2:13
4. Butter / Davis, Muhammad, Taylor ... / 3:39
5. Verses From the Abstract / Davis / 3:59
6. Show Business / Anselm, Dechalus, Kirkland ... / 3:53
7. Vibes and Stuff / Davis, Taylor / 4:18
8. The Infamous Date Rape / Davis, Muhammad, Taylor / 2:54
9. Check the Rhime / Ball, Davis, Duncan, Ferrone ... / 3:36
10. Everything Is Fair / Anselm, Davis, Muhammad ... / 2:59
11. Jazz (We've Got) / Davis, Muhammad, Taylor / 4:09
12. Skypager / Davis, Muhammad, Taylor / 2:13
13. What? / Davis / 2:29
14. Scenario / Davis, Higgins, Jackson ... / 4:10
ATCQの評価を一気に高めたセカンド。
前作のオモチャ箱のような楽しげなサウンドから一転してくすんだ音作りを探求、後年のディアンジェロの方法論に通ずるサウンドを早くも構築しております。
本アルバムのキーワードは「ジャズ」。
とは言ってもヒップホップにジャズのふりかけをまぶした感じで、それ風に仕上げるために(7)ではロン・カーターをゲストに迎えたりと雰囲気作りに腐心しております。
ファンクのサンプリングも白人バンドのアヴェレイジ・ホワイト・バンドをセレクトするあたりのひねり方がさすが。
そういえばデ・ラ・ソウルもホール&オーツをサンプリングしてたか。
このアルバムの発売当時天下を取ってたニュー・ジャック・スウィングはハードコアじゃないよ、と言い切る(11)、そしてバスタ・ライムスをゲストに迎えた傑作(14)と聴きどころ多数。
90年代初頭のヒップホップを牽引した傑作。

22:04:55 on 09/10/08 by yoshiki - Music - 4 comments

I Got the Feelin: James Brown in the 60s / James Brown


Disc 1
1. THE NIGHT JAMES BROWN SAVED BOSTON
Disc 2
1. That's Life
2. Kansas City
3. Medley: It's A Man's Man's Man's World/Lost Someone/Bewildered
4. Get It Together
5. There Was A Time
6. I Got The Feelin'
7. Try Me
8. Medley: Cold Sweat/Ride The Pony/Cold Sweat
9. Maybe The Last Time
10. I Got You (I Feel Good)
11. Please, Please, Please
12. I Can't Stand Myself (When You Touch Me)
Disc 3
1. If I Ruled The World
2. That's Life
3. Kansas City
4. Medley: It's A Man's Man's Man's World/Lost Someone/Bewildered
5. Get It Together
6. There Was A Time
7. I Got The Feelin'
8. Try Me
9. Medley: Cold Sweat/Maybe The Last Time/I Got You (I Feel Good)/Please, Please, Please/I Can't Stand Myself (When You Touch Me)/Cold Sweat (reprise)
10. THE T.A.M.I. SHOW performance of "Out Of Sight" from the acclaimed 1964 concert film
11. I Got You (I Feel Good), July 14, 1968 L'Olympia, Paris
12. It's A Man's Man's Man's World, November 25, 1967 L'Olympia, Paris
JBの68年の映像を収めたDVD。
JBの映像作品で主に流通しているのは復帰後の80年代のものが多く、正直言ってイマイチなのばかりなので今回のこの作品はホントにうれしいし、若いソウル・ファンもJBの全盛期の姿をこうして見られるというのは意義があると思います。
ヒップホップがどこからやってきたのか如実にわかりますな。
Disc1はJBがマーティン・ルーサー・キング暗殺事件で衝撃を受けたボストンを暴動から守った、というテーマのドキュメンタリー。
マーティン・ルーサー・キングがメンフィスで暗殺された日、JBはボストンでコンサートを予定しておりましたが、これをテレビ放映すればストリートで暴動を起こす人数が少なくなると思ったトーマス・アトキンスというボストン初の黒人市会議員がJBとなんとかコンサートができるようにするまで奮闘する、というのがおおまかな流れ。
この策が当たってボストンは暴動の被害から免れ、この一件で自らが黒人大衆に巨大な影響を与えうる存在であると確信したJBは積極的に政治的なメッセージを発信するようになりますが、同年に発表した「Say It Loud - I'm Black And I'm Proud」で白人ファンを失ったのに続いて70年代後半にはニクソン支持が仇となって黒人ファンまで失い、またレコード会社のゴタゴタや脱税問題に巻き込まれて失速、86年の「Living In America」での復活まで長い雌伏を強いられます。
そしてDisc2ではそのボストンでのライヴの様子をほぼ完全収録。
トーマス・アトキンスとこの日のJBのライヴを嫌がっていた(JBのコンサートの費用を市の予算で払いたくなかった)ボストン市長のあいさつで幕を開け、若干おとなしめのスタート。
一万人以上は入る会場は暴動の影響か2,000人ほどの観客のみというさびしさではありますが、(4)(5)(6)と繰り出される灼熱のファンクでものすごい盛り上がりを見せます。
(11)で興奮した観客が舞台に上がり、警官隊と一触即発の事態になりますが、JBがなだめてなんとか収め、コンサートは幕を閉じます。
Disc3はレギュラーでやってたであろう営業ライヴ。
場所はアポロ・シアターということで文句ナシ。
画質・音質とも悪く、ビデオ映像が痛んでいる箇所は静止画でごまかしたりしてますが熱気はホンモノ。
バンドもこの時期スター・プレイヤーが勢揃いしており、メイシオ・パーカー、フレッド・ウェズリーを筆頭とするホーン・セクション、ギターのジミー・ノーラン、ベースはたぶんスウィート・チャールズだと思いますが、ここだけイマイチ弱いんでダブル・ドラム化してリズムを強化しております。
とはいうものの一生懸命叩いてるのはほとんどクライド・スタブルフィールドだけっつーのがまた味わい深い(笑)。
(10)はJBのパフォーマンスにストーンズがビビったという伝説のT.A.M.Iショーからの抜粋。
映画フィルムなので画質も音質も良。
(11)(12)は67、68年のパリ公演の抜粋。
画質から音質からカメラワークから全てムチャクチャでございます(笑)。
これもまたファンキー。
こうしてみるとボストンでの出来事、ヴェトナム慰問、「Say It Loud - I'm Black And I'm Proud」と68年はJBにとってものすごく濃い一年だったんだなあ。
とにもかくにも全ての音楽ファンの必携盤。
あとはT.A.M.Iショーの正式DVD化とかブーツィ在籍時のパリ公演とかまだまだネタはあるはずなのでどんどん出していただきたい。

ボストンでの開演前に挨拶するトーマス・アトキンスとJB。

コンサートがはじまるものの・・・。

「しばらくお待ちください」のテロップが。

コンサート終盤、上がってきた客を警官隊が突き飛ばす。

次々と上がってくる客を必死になだめるJB。

アポロで熱唱するJB。

19:40:53 on 09/02/08 by yoshiki - Music - 5 comments